ニュートン
【東京雑学研究会編】
§近代科学の父ニュートンはオカルトに熱中していた!
中世ヨーロッパでは、魔法や錬金術など、オカルト的なものが信じられてきた。ヨーロッパ各地に実際の記録として残る「魔女裁判」などは、その一例である。そういった意味では、『ハリーポッター』シリーズは日本やアメリカでは誕生しないファンタジーといえよう。
しかし、科学が発展して以降、オカルトと科学は正反対のところに位置するものとされるようになってきた。特に、リンゴが木から落ちるのを見て「万有引力」を発見したと言われている近代科学の父アイザック・ニュートンの登場以後、非科学的なものは否定される傾向になった。
ニュートンは、一六四二年にイギリスで生まれた。物理学者であり天文学者、数学者としても活躍した。「万有引力の法則」が有名だが、微積分法の発見や光のスペクトル分析などの素晴らしい業績でも知られている。
科学の父にして、合理性のシンボルのようなニュートンは、意外にもオカルト的なものに大変興味を持ち、錬金術などの研究にも没頭していたという。
一七二七年にニュートンは他界した。二〇世紀に入ってニュートンの死後に残された膨大な量の論文や研究ノートなどを買い取った経済学者のケインズは、とにかくびっくりした。錬金術をはじめとするオカルト的な資料が大量に発見されすぎたからだ。
「ニュートンは『理性の時代』の最初の人ではなく、最後の魔術師だった」と、のちにケインズは語ったという。ケインズがニュートンのオカルト好きを公表しようとしなかったのは、ニュートンの名前に傷がつくのみならず、世間が大騒ぎになると考えたからだ。そのため、ニュートンのオカルト好きは、長い間、世に知られることはなかった。
ひょっとすると、科学とオカルトは全く無関係ではないのかもしれない。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全」 JLogosID : 12670736 |