電動歯ブラシ
【東京雑学研究会編】
§電動歯ブラシを送り続けた変な大統領
海外で暮らす日本人や日本で生活する外国人が増えるに従って、トラブルにまではならなくてもお互いの習慣の違いに戸惑うケースが多くなっている。
プレゼントのしかたについても、日本と欧米とでは考え方が少し違っている。日本では贈答品に対してお礼を返すのが一般的だが、欧米では贈り物に対してそれに見合う返礼や代償行為は期待しない。
変わった贈り物をした人としてアメリカの第三六代大統領ジョンソンがあげられる。
ニューディール派民主党員として一九三七年に政界に入り、一九六三年一一月ケネディが暗殺された際の副大統領だったため大統領に昇格した。大統領就任後は教育、福祉、人種差別廃止、環境保全、都市開発など広範囲にわたる「偉大な社会」政策を提唱した。これらはそれ以後のアメリカ社会の方向性を示す基本的政策となった。
このジョンソン大統領はいつも同じ人に同じものを送ることで有名だった。
ジョンソンの側近の一人はなぜか毎回、電動歯ブラシをもらい、そのことを陰で愚痴っていたらしい。
ジョンソンが送っていた電動歯ブラシは、全く見返りを求めない贈り物だったが、相手がその品を気にいるかどうかは全くおかまいなし。いつも同じものを送ることによって、そのたびに自分を思い出させるという、一方的なプレゼントだったのだ。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全」 JLogosID : 12670652 |