タカビー
【東京雑学研究会編】
§タカビーは将棋用語
「タカビー」は高飛車のことで、他人に対して傲慢な態度を取ること。
高飛車の語は、文字どおり将棋の飛車にちなんだ言葉だ。将棋で飛車と角は攻撃の中心となる駒で、この二つを主力に作戦が立てられるといっていい。
将棋の戦略は大きく分けると、飛車を敵陣に対して縦に使う居飛車と、横に使う振飛車の二つがある。
詳しく言うと、居飛車は飛車が最初の筋(先手なら2筋)から動かずに戦う戦法。振飛車は2筋以外の筋へ飛車を振って戦う方法で、先手なら、8筋の向かい飛車、7筋の三間飛車、6筋の四間飛車、5筋の中飛車、4筋の六間飛車、3筋の袖飛車をいう。1筋の場合は端攻めといい、通常は香を上げてその下に飛車を移す。
問題の高飛車は、居飛車戦法の一つで、飛車を自分の陣に引き戻さず、中段に浮かせたままで戦うことをいう。つまり、飛車を原位置より前方(通常は二段前方)に置いて戦う戦法だ。この戦法を取ると、戦局が一触即発になり、相手に大変な圧力を感じさせることになる。
こういったことから相手に横柄で高圧的な態度をとることを高飛車と呼ぶようになり、これが略されてタカビーとなった。
けれども現在の将棋界では高飛車という言葉は使われず、代わりに浮飛車という言葉が使われている。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全」 JLogosID : 12670571 |