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チャイルド・ライフ・スペシャリスト(CLS)

チャイルド・ライフ・スペシャリスト(CLS)

 入院して闘病生活を送っている子どものほか、親が病気で入院している子どもの精神的な成長、発達をサポートする専門職。病棟での遊びの援助、子どもの理解力に応じた病気についての説明、治療面での精神的支援、兄弟姉妹の援助など、仕事は多岐にわたる。

 北米で1920年代に、上記のような医療環境にある子どもをサポートする必要性が指摘されたのを受けてスタートし、1970年代以降、小児科医などにその活動が評価されて急速に増えた。医療スタッフの一員だが、医療行為には一切関わらない。このため、子どもにとっては「嫌なこと、痛いことをしない安心できる存在」で、他の医療スタッフと子ども、家族との架け橋的役割を期待されている。
 資格は、米国に本部を置くチャイルド・ライフ・カウンシル(Child Life Council、略称CLC)が認定する国際資格で、日本の国家資格ではない。資格取得には、米国かカナダに留学して専門教育を受け、試験に合格する必要がある。資格取得の留学先には大学のほか、CLS 養成課程がある大学院で学ぶケースも多い。
 世界に4000人を超える資格取得者がいるが、日本の医療機関にCLSが初めて導入されたのは1999年。日本チャイルド・ライフ学会(東京都)によると、2015年11月現在、CLSを導入している医療機関は28施設で、40人が勤務している。

 主なサポート活動は、採血や点滴処置や検査、放射線治療、手術などに対して、子どもが心の準備ができるようにするための援助、プレイルームでの集団遊びやイベントの企画など。闘病中の父母などがいる子どもには、父母らを励ます絵や手紙をかく手伝いなどもある。

 CLS のプログラムは、子どもに遊びの機会だけでなく、遊びを通して子どものストレスを感じ取り、心を癒す「治療的遊び」の要素があるとされる。また、医師や看護師放射線技師、臨床心理士など、他の医療スタッフとの協力関係を築くことも求められる。




時事用語のABC (著:時事用語ABC編集部)
「時事用語のABC」
JLogosID : 14425624


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