加憲
【かけん】
新しい条文を加えるために憲法を改正すること
環境権やプライバシー権など憲法制定時には想定されていなかった新しい権利を憲法の条文に明記することをいう。第9条は変えず、他の条文について憲法改正を進める立場。
憲法改正に対する政治的立場としては、主に改憲・護憲・論憲の3つがある。憲法改正と言えば、戦争の放棄を定めた第9条の改正を指すのが一般的で、多くの場合、改憲と護憲はそれぞれ第9条の変更を許すか許さないかという意味で使われてきた。
加憲とは、憲法制定時に想定されていなかった新しい権利を加えることについてのみ憲法改正に賛成だが、第9条の改正は許さないという姿勢を表したもの。これまでの改憲か護憲かという2項対立的な抽象命題から、具体的な憲法改正の段階に移ったと言える。
「加憲」との表現を作ったのは、連立政権の一角を担いつつも第9条を守るという立場にある公明党。これまで憲法改正の是非について検討する「論憲」の立場を示してきたが、来月2日の党大会で決定する運動方針で「加憲」の立場を鮮明にしたい考えだ。
| 時事用語のABC (著:時事用語ABC編集部) 「時事用語のABC」 JLogosID : 14425167 |