武力攻撃事態
【ぶりょくこうげきじたい】
武力攻撃が発生するような事態のこと
日本に対する海外からの武力攻撃が発生した事態だけでなく、武力攻撃が予測されるようになった事態を指す。武力攻撃には、そのおそれがある場合も含む。
有事法制の柱となる武力攻撃事態法案は、武力攻撃事態になったと考えられるとき、その対処に関する手続きを中心に盛り込んでいる。具体的には、閣議で対処基本方針を決定し、国会の承認を得るという流れになっている。
現行法の枠組みでは、武力攻撃を排除するための防衛出動を自衛隊に命令することはできた。しかし、具体的な手続きが定められていないため、本当に武力攻撃があった場合は、権力者によって恣意的に運用されるという危険も潜んでいる。
有事法制が審議される今国会では、政府のいう「武力攻撃事態」の定義がひとつの論点となるだろう。現時点において、具体的にどのような「武力攻撃事態」が想定されているのか、あるいは、どの程度の範囲までを含むのか。後半国会は、会期末をにらみつつ、与野党を交えた攻防が繰り広げられそうだ。
ちなみに、政府が国会に提出した武力攻撃事態法案の正式名称は、「武力攻撃事態におけるわが国の平和と独立ならびに国および国民の安全の確保に関する法律」と、やはり長い。
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| 時事用語のABC (著:時事用語ABC編集部) 「時事用語のABC」 JLogosID : 14425061 |