カシャーサ
〔概要〕
ブラジルで造られる、サトウキビが原料の蒸溜酒。名称はポルトガル語で、正確にはCachaca。地域で呼び名が異なり、日本ではサンパウロでの呼び名「ピンガ」も知られる。
歴史的には、16世紀にポルトガルからの移植者が開いたサトウキビのプランテーションで造られたのが始まり。砂糖造りの過程で偶然できたとされている。
カシャーサと名乗るためには、国によって定義が定められている。重要なポイントは、(1)原料はブラジル産サトウキビのみ、(2)アルコール度数が38~54度、(3)1リットル当たり6gまで加糖可能、など。
〔製法と分類〕
サトウキビの搾り汁を加水せずに発酵させ蒸溜するのが製法の基本。造り方で大きく2タイプに分けられる。
一つは量産される「インダストリー(機械化生産)・カシャーサ」。短時間で発酵・蒸溜し、熟成は行わない。よってすっきりした味わい。日本ではおもにこちらが販売されている。
もう一つは「アーティザン(=職人)・カシャーサ」。各蒸溜所内や契約農家で栽培されたサトウキビを搾り、時間をかけて発酵させ、銅釜で単式蒸溜後、木樽で熟成する。手間がかかる分、味わいも深い。ミナスジェライス州が主産地。小さな蒸溜所が多く、日本での入手は難しい。
| 東京書籍 (著:上田 和男) 「洋酒手帳」 JLogosID : 8515660 |