コニャック
AOCで定められた原料と製法
コニャックはフランス中西部のコニャック地方で造られるブランデー。その原料や製法は、原産地呼称統制(AOC)により厳格に定められている。原料は、ブランデー造りに適した白ぶどうのユニ・ブラン、フォル・ブランシュ、コロンバールの3品種を主体とし、10%以内ならブラン・ラメ、ジュランソン・ブラン、セミヨン、モンティル、セレクトの5品種が使用できる。製造方法は、伝統的な銅製のポットスチルを用いる単式蒸溜を2回行い、フランス産のオーク樽で2年以上熟成。水で希釈しアルコール度数40%にして製品化することが義務づけられている。
6つの原産地名は高級品質の証
コニャックの原産地は、グラン・シャンパーニュ、プティ・シャンパーニュ、ボルドリ、ファン・ボア、ボン・ボア、ボア・ゾルディネールの6カ所。これらの地域産のどのブランデー原酒をブレンドしても「コニャック」と名乗ることができる。
また、それぞれの地域内のぶどうのみを使ったものだけが、地域名を名乗ることができ、なかでも「グラン・シャンパーニュ」は繊細な香りと豊かなボディの最高級品。次いで「プティ・シャンパーニュ」、さらに芳醇な「ボルドリ」が高級品とされる。
コニャックの造り手は、ワインと同様に、自社のぶどう畑を持つ生産者であるドメーヌまたはシャトーと、原料や原酒を仕入れて熟成やブレンドを行って製品を造るネゴシアンの2タイプがある。ブレンド技術が非常に重視されるのもコニャックの特徴だ。
| 東京書籍 (著:上田 和男) 「洋酒手帳」 JLogosID : 8515584 |