【暦の雑学事典】5章 季語と年中行事の雑学 > 睦月
睦月
【むつき】

和風月名はいつできたのか
旧暦正月(一月)の異称。ムツキ(一月)、キサラギ(二月)……といった月名の和風読みは、『日本書紀』の月名に訓じられている。しかし、この訓は後世つけられたもので、『日本書紀』成立当時、あるいはそれ以前から、こうした和風読みがあったかどうか判然としないところがある。
『万葉集』には「武都紀立ち春の来らば……」「牟都奇立つ春の初めに……」という歌が載っている。ただ、これに睦月という字があてられたのは中世以降のことである。ムツキの語源には諸説ある。正月は互いに睦まじくするところからとも、年初なのでモトツキ(本月)に、春陽発生の月なのでウム(生む)月に由来するともいう。
![]() | 日本実業出版社 (著:吉岡 安之) 「暦の雑学事典」 JLogosID : 5040090 |