【名言名句の辞典】3人間 > 自然と人間
自然は認識の対象でもなく意志の素材でもない自然はそのうちに人間を包んで生きているのである

【名言名句】
自然は認識の対象
でもなく意志の素材でもない自然はそのうちに人間を包んで生きているのである
【解説】
主観と客観を峻別して世界をとらえる西洋文明の洗礼を受けて以来、日本人にとっても自然は認識の対象となり、利用するための素材となった。
しかし、その世界観は、もののあわれを解し、諸行無常に共感する日本の伝統的な文化には本来なじまないものであった。
暮れゆく秋の野にたたずめば、美しくももの悲しい風景は、もはや何が客観で何が主観かと区別することなどできず、すでに人もその中の一つの自然なのである。
【作者】唐木順三
【生没年】1904~80
【職業】哲学者
【出典】『詩とデカダンス』
![]() | あすとろ出版 (著:現代言語研究会) 「名言名句の辞典」 JLogosID : 5450347 |