夢みたものは ひとつの幸福ねがったものは ひとつの愛それらはすべてここに ある と
【名言名句】
夢みたものは ひ
とつの幸福ねがったものは ひとつの愛それらはすべてここに ある と
【解説】
結核のためわずか二十四歳で世を去った立原道造。この言葉には、ささやかな幸せや愛に無上の喜びを感じる繊細な詩人の魂が宿っているようだ。
この詩のなかで立原は、山並を望む静かな村で、青い空のもと、日傘を差して輪になって歌い踊る田舎娘たちの姿や、青い翼の小鳥のうたに、「ひとつの幸福」「ひとつの愛」がすべてあるとうたう。明るくのびやかな山村の風景や風物は東京育ちで病弱だった立原をやさしく癒してくれたのだろう。
【作者】立原道造
【生没年】1914~39
【職業】詩人
【出典】『優しき歌?U』
【参考】立原道造は十代のはじめから絵画や作歌、作詞に才能を見せていた。東大では建築を専攻、卒業後設計事務所に就職してこの分野でも豊かな才能を示し将来を嘱望されたが、わずか一年余りで発病、休職を余儀なくされ、信濃追分や長崎に療養して、ソネット(十四行詩)形式の美しい抒情詩を数多く残した。
| あすとろ出版 (著:現代言語研究会) 「名言名句の辞典」 JLogosID : 5450067 |