結膜花粉症・アレルギー性結膜炎
【けつまくかふんしょう・あれるぎーせいけつまくえん】
Pollinosis Of Conjunctiva・Allergic Conjunctivitis
アレルギーとは、ある特定の物質に対して過敏に反応することをいいます。原因となる異物を「アレルゲン(抗原)」と呼びます。各種の花粉が抗原となって起きるのが花粉症であり、結膜炎症状を示すのが結膜花粉症です。花粉以外の抗原(ハウスダスト・ダニ・各種の化学物質、食べ物、衣類の繊維など)によるアレルギー性結膜炎もよくみられます。
同様な結膜炎を示すものに、アトピー性角結膜炎、それの重症型といえる春季カタル、コンタクトレンズ装用で起きる巨大乳頭結膜炎があります。これらのアレルギー性結膜炎は、環境の悪化、精神的ストレスの増大、食生活の欧米化などにより年々増加しています。
アレルギー反応は、何年もアレルゲンと接触していた、遺伝的にアレルギーの素質を持った人にアレルゲンに対応する抗体が体内に出た後で、再びアレルゲンの接触により抗体と結合した時に起こります。マスト細胞表面で起きたこの結合反応から、炎症を引き起こす物質(ヒスタミンなど)が生成されますが、この物質が、目・鼻・のど・気管支の粘膜に作用して、かゆみなどのアレルギー性炎症症状が現れます。日本で代表的な花粉症のアレルゲンには、春のスギ・ヒノキ、初夏のカモガヤなどのイネ科の雑草、初秋のブタクサ・ヨモギなどのキク科の雑草があります。
| 寺下医学事務所 (著:寺下 謙三) 「標準治療」 JLogosID : 5035481 |