不整脈(小児)
【ふせいみゃく(しょうに)】
Arrhythmia
不整脈といってもその内容は多岐にわたります。ここでは専門的な内容について詳しく触れず、小児科診療の日常で比較的多い内容に重点を置きます。小児科の日常診療でよくみるのは、期外収縮(きがいしゅうしゅく)、脚ブロック、房室ブロック、QT延長、ウォルフ・パーキンソン・ホワイト(WPW)症候群などです。まれに脈の速くなる頻脈発作にもでくわします。小児における不整脈の原因としては、刺激伝導系といわれる心臓の電気的興奮を伝える細胞の未成熟さや、心筋炎、心筋症、心臓腫瘍(しゅよう)、川崎病後遺症による影響、手術による侵襲、器質的心疾患の存在、薬剤性、電解質異常などがあげられます。
新生児乳児期と幼児学童期とでは不整脈の性格も多少異なります。新生児や乳児では期外収縮の他に、発作性上室性頻拍、先天性完全房室ブロックなどによる紹介や入院例が多くみられます。胎児期にモニターなどで発見される場合もあります。
幼児や学童で多くみられるのは、上室性(心室より上、つまり心房性や接合部)あるいは心室性期外収縮やそれらの頻発する例、I度からII度の房室ブロック、QT延長の疑い、WPW症候群などです。
| 寺下医学事務所 (著:寺下 謙三) 「標準治療」 JLogosID : 5035282 |