【福武国語辞典】さ行 > せい
政治小説
【せいじしょうせつ】

政治的啓蒙(けいもう)・寓意(ぐうい)・風刺などを目的として書かれる小説。{参考}自由民権運動を背景として、政治熱の高い時代に作られた。桜田百衛(ももえ)訳「西洋血潮小暴風(にしのうみちしおのさあらし)」、矢野龍溪(りゆうけい)「経国美談」、東海散士「佳人之奇遇」、末広鉄腸「雪中梅」などが代表作。多くは政治的意図による筋立てに終始したが、すぐれた外国政治文学の翻訳・紹介に刺激され、政治のみならず小説の改良発達に貢献した点も見逃せない。
![]() | ベネッセコーポレーション (著:樺島忠夫/植垣節也/曽田文雄/佐竹秀雄) 「福武国語辞典」 JLogosID : 705145260 |