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福武国語辞典か行 > かか

掛かる・係る・架かる・懸かる
【かか・る】

自五

【1】ある所に支えられ、とめられている。【ア】つるされるぶら下がる。「壁に額が―・っている」「軒に風鈴が―・っている」【イ】すえられる。「コンロになべが―・っている」「月が空に―(=空にある)」「舟が―(=停泊する)」【ウ】もたれている。「壁に寄り―」「はしごが屋根に―・っている」【2】ある所にとらえられる。【ア】受けとめられる。陥る。「鳥が網に―」「わなに―」【イ】それで処理される。処置をまかせる。「彼に―・ってはかなわない」「医者に―」「老後は長男の家に―(=世話になる)」「人手に―(=殺される)」【ウ】そこにとめられる状態になる。「お目に―(=お会いする)」「気に―(=心配である)」【エ】その状態や場所に立ち至る。「病気に―」「坂道に―」▽【2】はふつう仮名書き。【3】それが他のもの、または自分の身に及んでくる。【ア】おおいかぶさる。「泥が※に―」「月に雲が―」【イ】一方から他方へさしわたされる。「橋が―」「小包にひもが―」【ウ】それが届く。「声が―」「誘いが―」「電話が―」【エ】影響が及んでくる。「迷惑が―」「嫌疑が―」「その副詞は述語に―」「黒みの―・った赤」【オ】物事の結果と関係がある。「保険が―」「優勝が―」【カ】しはじめる。「仕事に―」【キ】立ち向かう。「敵に―・っていく」▽【3】はふつう仮名書き。【4】それが使われる。【ア】道具や機械などが働く。「エンジンが―」「かぎが―」【イ】時間や経費が費やされる。「時間が―」【ウ】力・気合いなどがさらに加わる。「気合いが―」「磨きが―(=いっそうすばらしくなる)」【エ】作り設けられる。「見世物小屋が―」▽【4】はふつう仮名書き。【5】〔動詞の連用形について〕その動作が実現し、完了しそうになる。「通り―」「死に―・っている」▽【5】はふつう仮名書き。{参考}「掛」は物をつり下げる、「係」は物事に関係する、「懸」は遠く、高く物をかける、「架」は橋などをかける意を基本としているが、その区別は完全ではない。また、病気や災難を身に受ける意味には「罹る」、物をつなぎとめる意味には「繋る」と書くこともある。




ベネッセコーポレーション (著:樺島忠夫/植垣節也/曽田文雄/佐竹秀雄)
「福武国語辞典」
JLogosID : 704928840


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