東京タワー①
【とうきょうたわー】
【雑学大全2】 地理 > 場所
昭和二〇年代の終わりから三〇年代はじめにかけて、東京に次々とテレビ局が誕生した。最初はそれぞれのテレビ局が電波塔を立てて電波を飛ばしていたのだが、それでは効率が悪い。さらに家庭では、あちこちから電波が飛んでくるから、チャンネルを変えると、アンテナの向きが合わなくなり、映りが悪くなるという具合の悪い現象も起きた。そこで、各テレビ局が共同して使用する送信場所つくろうと計画されて生まれたのが東京タワーである。タワー建設のために、一九五七(昭和三二)年、まず日本電波塔株式会社が設立された。この「日本電波塔」というのが東京タワーの正式名称でもある。東京都心から関東一円に向けて電波を飛ばすとなると、試算では三〇〇メートル以上の高さが必要だった。それだけの高さの塔を建てるためには、用地確保が大問題だった。最終的には芝公園内の七〇〇〇坪に決定されたが、一時は上野公園まで候補に挙がるほどだったという。建設にあたっては、どうせ三〇〇メートルを超えるなら、当時の世界一だった三二〇メートルのパリのエッフェル塔より高くしたい、というので三八〇メートルで設計された。戦後の復興期が一段落した時代であり、とにかく世界をめざせという気概だったようだ。ところが、九月に建設をはじめてみると、途中で資金不足をきたした。塔下に建てられるテレビ各局の中継局にも多額の資金が必要だったからである。そこで、やむなく塔の高さを削り、それでもエッフェル塔よりは高くということで、三三三メートルに落ち着いた。翌年の一二月完成という突貫工事だったが、地震国日本に合わせた耐震構造で、耐用年数一〇〇年を誇る。そんな東京タワーも、デジタル放送、ワンセグの開始などで、運用に限界が見えはじめている。そこで、新東京タワーの建設計画が持ち上がり、墨田区押上にある東武鉄道貨物操車場跡地に、二〇一一年、第二東京タワーが完成する予定だ。
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【この辞典の書籍版説明】
「雑学大全2」東京雑学研究会 |
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浜の真砂は尽きるとも,世に雑学の種は尽きまじ。新たな1000項目で帰ってきた,知的好奇心をそそる雑学の集大成第2弾。 |
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