キヤノン
【きやのん】
【雑学大全2】 社会 > 企業
売上高三兆七五四二億円、従業員数一一万五五八三名(二〇〇五年一二月現在)という、いまでは世界的にも名の知られた大企業キヤノン。しかし、創業時の一九三三(昭和八)年は、当時カメラといえばライカやコンタックスなどのドイツ製が主流だったため、なんとか日本製の高性能のカメラをつくってみたいというベンチャー企業、精機光学研究所だった。やがて苦心の末に、初代の試作機が誕生。そのときに名づけられたのが「観音」だった。実は、創業者の一人で、おもに資金面を担っていた御手洗毅氏は、観音信仰に熱心だった。そこで、観音様の慈悲にあやかって、試作機が世界に認められるカメラになるようにとの願いを込めて名づけたのだ。観音はローマ字では「KWANON(カノン)」とあらわし、ロゴには千手観音と火焔がイメージされた。そして、その願いが通じて、観音は大々的に発売されることになった。ところが、「KWANON」では、「カワノン」、「キワノン」とも読めてしまう。紛らわしいということで、「CANON(キヤノン)」ということになった。この「CANON」には、「聖典」「規範」「標準」という意味があり、その先端技術が世界の「標準」となり、また業界の「規範」となるような企業活動をおこなっていきたいとの思いも込められたという。ところで、私たちは普通「CANON」を「キャノン」と呼ぶ。しかし、よくよく観察してみると、広告では「キヤノン」と「ヤ」の文字が大きくなっていることに気づく。キヤノンのホームページによると、「キャノン」とヤの字を小さくしてしまうと、「ャ」の上に白いすき間ができたように見えて、文字のバランスが悪いから、大きな「ヤ」を使っているとのこと。「キャノン」よりも「キヤノン」のほうが社名の由来である「カンノン」に発音が近いからというわけではなさそうだ。
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【この辞典の書籍版説明】
「雑学大全2」東京雑学研究会 |
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浜の真砂は尽きるとも,世に雑学の種は尽きまじ。新たな1000項目で帰ってきた,知的好奇心をそそる雑学の集大成第2弾。 |
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