ウォークマン
【うぉーくまん】
【雑学大全2】 社会 > 企業
ヘッドホンを耳にあてたサルが、じっと音楽を聴いているCMが大ブレイクしたウォークマンのコンセプトは、まさに世間をあっといわせるにふさわしいものだった。高音質の音楽をどんな場所でも楽しめる。サルでさえもじっと音楽を聴きたくなるのだから、ましてや人間なら、というわけだろうか。ウォークマンはソニーの共同創立者である盛田昭夫氏の観察眼から生まれた商品といえる。彼の子どもたちが部屋にいる間中、音楽をかけっぱなしにしていたり、多くの人が浜辺や公園へラジカセを持っていったりすることに注目したのだ。日本で爆発的にヒットしたウォークマンだが、その後全世界に向けて発売されたとき、そのネーミングが問題になった。ソニー・アメリカは「『ウォークマン』なんて英語はない」といって、それぞれの国にふさわしいネーミングで売り出したのだ。アメリカでは「サウンドアバウト」、英国では「ストウアウェイ」、スウェーデンでは「フリースタイル」という具合だった。売り上げは最初の頃こそ順調だったが、その後しばらくすると頭打ちになってしまった。頭を悩ませた盛田氏だが、ヨーロッパ出張中に状況打破のきっかけをつかむことになる。仕事などで会う人がこんなことをいうのだ。「息子からウォークマンが欲しいと頼まれたんだけど、どうやったら手にいれられるのかな? ところでウォークマンって何だい?」何人もの人に似たようなことをいわれるうちに、盛田氏は「日本で人気となったウォークマンをお土産に買った外国人たちが自国でその名を広めているらしい」と気がついた。そこで急遽海外でも「ウォークマン」という名前で売り出したところ、売り上げが徐々に増えはじめ、二〇〇五(平成一七)年度の時点での累計出荷台数は三・五億台に達した。ウォークマンは和製英語ながら、全世界でヘッドホンステレオの総称と間違えられるほど定着し、いまでは海外の代表的な辞書にその名が載るまでにもなった。現在人気の音楽再生機能付きGSM(Global System for Mobile Communications)端末のジャンルでもウォークマンブランドは健闘している。常に新しい世界に挑戦し続ける盛田氏の飽くなきエネルギーが、現在もなお受け継がれているからに違いない。
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「雑学大全2」東京雑学研究会 |
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浜の真砂は尽きるとも,世に雑学の種は尽きまじ。新たな1000項目で帰ってきた,知的好奇心をそそる雑学の集大成第2弾。 |
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