亜鉛
【あえん】
【雑学大全2】 生活 > 健康
「ファストフードばかり食べていると味覚音痴になるぞ」。こういって若者を叱っている中高年の方々、自分たちとて決してそのようなことと無関係とはいえない。味覚障害は、食習慣による嗜好の問題のほかに、ミネラルの一種である亜鉛不足によってもひきおこされる。亜鉛は血漿中のビタミンA濃度の適正化やインスリンの貯蔵と放出、傷の治癒と味覚の正常化などの役割を担っていて、体重六〇キロの成人なら体内に二グラム程度あるのが普通といわれている。亜鉛が不足すると味覚異常のほか、皮膚炎、成長不良、精液欠乏症、勃起不全などとなってあらわれる。つまり、おいしいものをいつまでもおいしく味わいたいと望む人だけでなく、いつまでも現役としてガンバリたい人にとっても、欠かせないミネラルであるということだ。亜鉛はレバーや牡蠣、牛肉、小麦胚はい芽が、卵黄、豆乳などに多く含まれる。あわせてマンガン、モリブデン、鉄などのミネラルを多く含む食品をとると、より効果が高い。さらにヨヒンビンやガラナなどのアルカロイド(窒素を含む有機化合物)を摂取すれば万全だが、この場合は事前に医者に相談するのがよい。ただし亜鉛は、必要量以上摂取すると過剰症になる恐れもあるミネラルだ。亜鉛はもともと吸収されにくいミネラルなので、通常の食事から摂る量くらいではほとんど問題がないが、サプリメントを大量に飲んだりすると、善玉コレステロールの血中濃度が下がったり、鉄分不足を招いて貧血になったりもする。まれに缶詰や清涼飲料水の缶の内部にメッキした亜鉛が溶け出し急性中毒を起こした例や、亜鉛を扱う職業に就いていると、亜鉛塗装現場の周辺などで酸化亜鉛のフューム(煙霧状粉末)を吸入して亜鉛中毒にかかる場合もある。こうした場合の症状としては発熱、咳、頭痛、吐き気などがあり、またひどいときには肺炎を起こす可能性もあるので注意が必要だ。
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【この辞典の書籍版説明】
「雑学大全2」東京雑学研究会 |
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浜の真砂は尽きるとも,世に雑学の種は尽きまじ。新たな1000項目で帰ってきた,知的好奇心をそそる雑学の集大成第2弾。 |
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