いせ源
【いせげん】
【東京五つ星の魚料理】 魚介専門料理 > 千代田区
昭和5年(1930)建築の店舗は、懐かしくも粋な江戸情緒を色濃くまとっている。外観も内装もすっかり古びているけれど、関東大震災を経験後に建てられた建物だけに、もとがしっかりしていてちっともガタはきていない。骨太な建物の渋い座敷に上がって、天保元年(1830)創業の老舗の、名代のあんこう鍋をいただく。
アンコウは天然もの、それも肝にボリュームがあって色がいいことから、北海道産を多く用いている。鍋には身・皮・ひれ・卵巣・胃・あご肉プラス肝、そしてざくもどっさり。ぐつぐつ煮るうちに、江戸っ子向けの甘め濃いめのたれが香ばしく鼻をくすぐる。肉はほろほろと身ばなれよく、熱々の肝は舌の上で跡形なくとろけ、内臓の豊富なゼラチン質がぷるぷるとのどを滑る、他の鍋では得られない充足感。心にも体にも、力がやさしくみなぎるようだ。
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【この辞典の書籍版説明】
「東京五つ星の魚料理」岸 朝子/選 |
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寿司をはじめ、ふぐ・あんこう・まぐろ・あゆ・くえ・かになどの各専門店,日本各地の旬の地魚を味わえる郷土料理の店など、東京の魚料理の老舗・名店を、各店自慢のお酒とともに岸朝子が厳選して紹介。 |
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出版社:
東京五つ星の魚料理[link] |