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冷凍保存
雑学大全2

アメリカ空軍のテストパイロットが、事故で恋人が植物状態になってしまったのを悲観し、軍の極秘プロジェクトである人間冷凍保存装置の人体実験に志願する。彼が目覚めたのは五〇年後の世界だった……。若きメル・ギブソン主演の映画『フォーエバー・ヤング』のあらすじだ。人間を冷凍保存するなんて、映画のなかだけの話と思ったら大間違い。アメリカでは実際に存在している。アメリカには、現代の医療では治療が不可能とされている病に冒されるなどすると、遠い未来に治療法や特効薬が開発されることを期待し、自らや親族の遺体を冷凍保存してほしいと望む人たちがいる。そんな人々の願いを叶えてくれる会社はいくつかあり、各社ともすでに数百人の顧客を抱えているという。最大手は、元メジャーリーガーのテッド・ウィリアムズ氏の遺体を冷凍保存していることで知られている、アルコー・ライフ・エクステンション財団。遺体は、死亡直後に体液を不凍剤となるグリセリンベースの水溶液に入れ換えてから、マイナス一九六度の液体窒素で冷凍される。保存は低温維持装置がついた大型の金属製容器でおこなわれるという。同財団の場合、契約者はすでに一〇〇〇人程度おり、会員は年会費として四〇〇ドルを支払い、さらに冷凍保存費用として、生命保険の受取人を同財団としなくてはならない。冷凍保存料金は、頭部のみの場合は五万ドル、全身は一二万ドル。一方、「世界で最もお得な冷凍保存サービス」をうたうクロニックス研究所では、全身の場合でも、二万八〇〇〇ドルでサービスが受けられるらしい。このビジネスに新規参入する会社も増えており、各社ともインターネットで活発にセールス活動をおこなっている。それだけアメリカでは需要が多いということかもしれない。だが、いまのところ、複雑な脳を持つ人間を冷凍した後、解凍、蘇生したという例は一つもなく、実際に蘇生するのかどうか、専門家の間でも疑問視する声が多い。

  

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