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有料道路
道と路がわかる事典

高速道路をはじめ、橋やトンネル、観光地を走るドライブウェイなど、有料道路は全国各地にあるが、そもそも、その道路を利用する者から料金を徴収するという制度はいつ頃生まれたものなのだろうか。江戸時代からすでに、通行人から通行料を徴収していたところがあったというが、法でそれが認められたのは明治に入ってからのことであった。
一八七一(明治四)年の太政官布告により、道路や橋などを私財を投じて開設した者は、それを利用する者から通行料を徴収することが認められたのである。これは、国の財政不足を補う苦肉の策であったという。この布告に基づき、東海道の中山峠(金谷―日坂間三六六三m)が日本最初の有料道路となり、一八八〇(明治一三)年から二〇年あまり、通行人から料金を徴収したという記録がある。当時はまだ自動車の走っていなかった時代である。
人からではなく、車から通行料を徴収するという有料道路制度は、一九五二(昭和二七)年に創設され、その第一号として誕生したのが三重県の参宮有料道路である。昭和二八年、伊勢神宮の式年遷宮の際に建設されたもので、伊勢の宮川から松阪の櫛田川までの一〇・六kmが、自動車から通行料を徴収する日本初の有料道路であった。
昭和二九年には、観光地で有名な日光でも有料道路が生まれた。今も観光名所として親しまれている日光いろは坂である。
現在ある有料道路は、昭和三一年に成立した「道路整備特別措置法」に基づくもので、高速自動車国道、都市高速道路、本州四国連絡道路、一般の有料道路の四種類がある。またこの年に、日本道路公団が発足している。有料道路制度が設けられた背景に、日本の苦しい財政事情があったことはいうまでもない。

  

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