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迷信的暦注
暦の雑学事典

◆六曜は機械的に配当されるだけ
 暦法は年月日を調和させるために生まれた科学である。ところが、中国や日本などでは陰陽五行説その他によって人事や自然現象にコジツケ的な意味づけが行なわれ、さまざまな迷信的暦注がはびこることになった。現代にも生き残る主な迷信的暦注として次のようなものがある。
・六曜(六輝)/先勝(せんしょう・せんかち)・友引(ともびき)・先負(せんぶ・せんまけ)・仏滅(ぶつめつ)・大安(たいあん)・赤口(しゃっこう・しゃっく)。
室町時代に中国から渡来したもので、江戸時代に名称が変わったり、順番が入れかわって現在のものとなった。旧暦各月の一日に次のように六曜を定め、二日以降は六曜を順に配当しただけのものである。
一月・先勝 二月・友引 三月・先負 四月・仏滅  五月・大安  六月・赤口
七月・先勝 八月・友引 九月・先負 一〇月・仏滅 一一月・大安 一二月・赤口
カレンダーの七曜は連続性があるが、六曜は機械的に配当されるだけで連続性はない。六曜の意味づけもまた天文暦法と無関係な迷信である。仏滅にいたってはまったくの当て字である。
・九星/一白水星・二黒土星・三碧木星・四緑木星・五黄土星・六白金星・七赤金星・八白土星・九紫火星のこと。その年の星を中央に置き、残り八つの星を周囲に配したものを九星図という。この九星図に十干十二支を組み合わせると一八〇年周期の干支九星ができる。生まれた年の星とその年の星から、さまざまな吉凶を解釈するのが九星術である。
・八将神/太歳(たいさい)・大将軍・大陰(だいおん)・歳刑(さいきょう)・歳破(さいは)・歳殺(さいせつ)・黄幡(おうばん)・豹尾(ひょうび)の八神。太歳神をその年の十二支の方向に置き、方位の吉凶を占う。
・十二直/頒暦において「暦の中段」と称された暦注。建(たつ)・除(のぞく)・満(みつ)・平(たいら)・定(さだん)・執(とる)・破(やぶる)・危(あやぶ)・成(なる)・収(おさん)・開(ひらく)・閉(とず)をいう(時代により多少異なる)。もともと方位の十二支と北斗七星の尾の指す方向による日々の吉凶占い。
・選日/吉凶にかかわる暦のうえの特殊な日。三隣亡(さんりんぼう)は、火災によって近隣三軒に被害を与えるという意味で建築の忌日とされる。十方暮(じっぽうぐれ)は甲申(きのえさる)から癸巳(みずのとみ)までの一〇日間で、十方の気がふさがって新規に事を起こすに凶とされる。
・暦の下段/頒暦の下段に記された選日。黒丸で記された黒日(くろび)は万事にさしさわりのある悪日。重日(じゅうにち)は陰が陰に重なり、陽が陽に重なる日で婚礼・葬儀などの忌日。凶会日(くえにち)は陰陽の調和がよくない忌日。大明(だいみょう)、天恩(てんおん)などは慶事において吉日とされる。

  

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