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肘部管症候群
標準治療

 1878年、パナス(Panas)が肘関節部の病変による尺骨(しゃっこつ)神経麻痺を報告して以来、このような麻痺は上腕骨外顆(がいか)骨折後の外反肘(がいはんちゅう)で発症する例が多く、尺骨神経溝で神経に牽引(けんいん)と摩擦が長期にわたって繰り返されることが原因と考えられ、遅発(ちはつ)性尺骨神経麻痺と呼ばれてきました。しかしその後、変性、腫瘍、職業、スポーツによる肘の過度の使用や病因不明の非外傷性麻痺が存在することがわかってきました(表:肘部管症候群の発症原因)。
 1957年、オズボーン(Osborne)が尺側手根屈筋の両頭にまたがる筋膜(Osborne靭帯)の圧迫が麻痺の原因となりうると報告(図:肘関節部の解剖)。翌年、FeindelとStraftfordはこのOsborne靭帯と内側側副靭帯および内上顆後壁で構成される管を肘部管と命名しました。以後、肘関節部において何らかの原因により起こった尺骨神経の絞扼(こうやく)性神経障害(entrapment neuropathy)をまとめ、肘部管症候群(cubital tunnel syndrome)と呼ぶことが多くなったのです。

  

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