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反復性肩関節脱臼
標準治療

 初回の脱臼が明らかに外傷であり、再び同じような外傷が起こることによって脱臼を繰り返す場合、反復性肩関節脱臼といいます。また非外傷性の場合、習慣性脱臼と呼びます。肩関節脱臼には随意性脱臼、動揺性肩関節などがあります。
 反復性肩関節脱臼は外傷性脱臼がほとんどのためか、反復性前方脱臼が大多数を占めるので、ここでは前方脱臼について述べます。この脱臼が起こると、肩関節前方の関節唇の断裂や関節包の剥離(はくり)が生じ(バンカート病変)、また骨頭の後外側の骨欠損(ヒル・サックス病変)がしばしばみられます。これらの損傷が治癒しないと、そこが安定性を損う弱点となり、脱臼の再発が起こりやすくなります。
 再発の原因として、脱臼が整復されるとほとんど痛みや機能障害が残らないため、前述の障害が治癒しないのに十分な安静固定が保てないことが考えられ、再脱臼から反復性に移行します。脱臼の再発は繰り返すごとに、より小さい外力で起こり、しかも頻度が高くなってきます。脱臼の再発がしやすくなる要因は、バンカート病変、ヒル・サックス病変の他に関節包の弛緩(しかん)、肩甲下筋の緊張低下、関節窩下縁(かんせつかかえん)の骨折および磨耗(まもう)があげられます。また外傷性前方脱臼から反復性になる頻度は明らかに相関があり、20歳以下では80〜90%、20歳以上では60%、40歳以上では10〜15%と報告されています。

  

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