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世界時
暦の雑学事典

◆世界時にもいろいろある
 日本の中央標準時(JST)は世界時(UT)が基準となっている。世界時とは経度〇度(旧グリニッジ天文台の位置)の経線上の平均太陽時(グリニッジ時)のことで、一八八五年に世界標準時として使用することが定められ、日本では兵庫県・明石市を通る東経一三五度の経線上の平均時が中央標準時とされた。地球は一時間で一五度自転するから、東経一三五度の中央標準時は世界時と九時間の差があり(一三五=一五×九)、「日本標準時=世界時+九時間」ということになる。
 従来、世界時は天文観測のデータに基づいて決められたが、一九七二年以降は高精度のセシウム原子時計が利用されるようになった。しかし、地球の自転速度のスピードダウンやその他の影響により、平均太陽時は年間で約一秒ほどの変動がある。このため、セシウム原子時計に基づく協定世界時(UT1)を、平均太陽時のほうにあわせる必要が生まれた。そこで、協定世界時の時刻と平均太陽時の時刻差をプラスマイナス〇・九秒以内にする国際的な取り決めがなされた。こうして管理された協定世界時をUTCという。
◆閏秒は第六〇秒として挿入される
 閏秒が挿入されるのは、協定世界時と平均太陽時の時刻差がプラスマイナス〇・九秒を超えそうなときである。挿入される日は、一二月か六月(第一優先)、または三月か九月(第二優先)、さらに必要があるときは任意の月の月末と決められていて、これらの日のいずれかが選ばれ、その日の二三時五九分五九秒の次に、第六〇秒として閏秒が挿入される(日本時間においては、一月か七月、または四月か一〇月、さらに必要な場合は、任意の月の一日の八時五九分五九秒の次に挿入)。閏秒の挿入前にはニュースなどで報道されるが、小さくしか扱われないので閏秒の存在自体を知らない人も多い。

  

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