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真性動脈瘤
標準治療

 動脈瘤とは動脈壁が何らかの原因により障害され、血圧に抗しきれなくなった結果、動脈が拡張した状態をいい、「本来の血管径よりも少なくとも50%以上の限局的な拡張を示すもの」と定義されています。発生部位により大動脈瘤と末梢動脈瘤に大別されますが、臨床的な観点から大動脈瘤は胸部(上行、弓部、胸部下行)、腹部および胸腹部瘤に分けられ、末梢動脈瘤は四肢(しし)末梢瘤と腹部内臓瘤に分類されます。ここでは臨床上経験する機会の多い大動脈瘤について述べます。
 大動脈瘤の成因としては動脈硬化、炎症、先天性、外傷などが考えられていますが、動脈硬化性を背景にしたものが90%以上を占めています。このため、他の動脈硬化性疾患と同様に50〜70歳代の男性に好発し、高血圧症、虚血性心疾患、脳血管障害などの併存症を高率に有しています。近年の動脈硬化性疾患の増加に伴い、本症も増加傾向にあり、厚生労働省の人口動態統計によれば、1995年から2004年の10年間で死亡者数は1.7倍に増えています。
 本症に合併する破裂は重篤(じゅうとく)で、病院来着前に死亡する場合も少なくなく、その治療成績も不良です。したがって、治療に際しては破裂前の早期診断と適切な外科治療が重要です。

  

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