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心筋症
標準治療

 原因不明な心筋疾患を心筋症と呼び、大きく分けて2つのタイプの病気があります。1つは心筋が異常に厚くなる(肥大する)肥大型心筋症で、もう1つは心筋は薄くなり、収縮する力が弱くなり心臓の内腔(ないくう)が異常に大きくなる(拡大する)拡張型心筋症です。肥大型心筋症における肥大は心室壁全体に認めるのではなく、心室中隔や心尖(しんせん)部など心筋の一部に限局しているのが特徴的で、これは高血圧や大動脈弁狭窄(きょうさく)に伴う心肥大が左室壁全体に比較的均一に生じるのと異なる点と思われますが、識別が難しい場合もよくみられます。時に一家系内に多く発症することがあり、その原因として遺伝的要因の関与が推定されています。
 理解するには少し難しいかもしれませんが、肥大型心筋症には心筋が収縮した際、心室内で圧力の較差が出現する肥大型閉塞性心筋症と圧力の較差を認めない肥大型非閉塞性心筋症の2つのサブタイプに分けられます。自覚症状がなくても健診の心電図などをきっかけに診断されることも少なくないようです。一般的には予後は良好ですが、一部では突然死との関連が問題となります。
 拡張型心筋症の発症のメカニズムについてもいまだ十分には明らかにされていませんが、現在ではウイルス感染による心筋炎が引き金になり発病する例が多いのではないかと考えられています。心内腔が拡大し、それに見合うだけの収縮力を心筋がもてないため収縮不全から心不全となります。一度心不全を発症すると予後は不良となります。

  

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