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遺伝子技術
日本史の雑学事典

■13 遺骨のDNA鑑定でシベリア抑留戦没者の身元が判明…遺伝子技術が歴史の研究を大きく変えつつある
 DNA鑑定は、近年飛躍的に技術が進み、親子鑑定ならば99%以上の信頼度だという。
 このDNA鑑定を利用して、戦後シベリアに抑留されて亡くなった身元不明の日本人と、その遺族のDNAを鑑定する試みがおこなわれ、2000年10月には、ついに1名の身元が判明した。
 シベリアに抑留されて没した日本人はおよそ5万5千人と言われている。そのうち、モンゴルのダンバダルジャなどから1600体の遺体が収容され、138体が当時の記録や証言からほぼ身元を推定できる状況にあった。厚生省(現厚生労働省)は遺族にDNA鑑定の希望を確認し、遺族から希望のあった8体についてDNA鑑定をおこなった。その結果、1体の身元が判明し、あとの7体は親子・兄弟関係にないものとわかった。
 身元が判明したのは、栃木県那須郡西那須野町出身の三村謙一さん。1941年に満州に渡り、1945年7月に召集され、戦後はロシアの収容所に入れられ、栄養失調で亡くなったらしい。
 遺体の歯と、三村さんの娘である藤田けい子さんの爪のDNAが採取され、鑑定にかけた結果、間違いなく親子関係だという結論が出た。
 ただし、鑑定料の5万円は遺族負担となっており、今後政府では、これを国家の負担にすることを検討している。
 また、遺族たちは収集した遺骨のDNAすべてのデータベース化を望んでいる。これがあれば、身元確認を希望する遺族が自分のDNAデータと照合して、身内の遺体を特定できる可能性が格段に高まると期待されている。

  

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