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レンタル業
雑学大全2

電話を発明したアメリカのグラハム・ベルが、一八八七年に電話会社を設立し、ユーザーの拡大のために有料で電話機を貸し出したことが、企業レベルではじめたレンタル業の第一号といわれている。しかし、日本では、もっと前にレンタル業をおこなっていた人がいた。一八七七(明治一〇)年、横浜元町の石川孫右衛門が、駐留地の外国人が自転車に乗っているのに着目し、自転車を購入。輪乗場を設けて自転車をレンタルしたところ、大繁盛したそうだ。さらに前の江戸時代には、「貸しふんどし屋」という商売があり、汚れたふんどしを持っていくと、六〇文(当時そば一杯一六文だった)の料金で、洗濯と火のし(いまでいうアイロン)したふんどしと交換してくれたという。ふんどしは、男性は下半身を保護し清潔にするために身に着けていたが、女性も生理のときなどに使用していたそうだ。とはいえ、ふんどしはいわば現代のパンツである。局部が直接触れるパンツは、洗ったとはいえ、他人の使った代物を身に付けるなど、いまの世の中では考えられない。なぜそんな商売があったのだろう。当時、一枚の長さが六尺(約一八〇センチ)ある六尺ふんどしは、男にとって必需品だったが、一本二五〇文ほどもしたという。汚れれば洗わなければならないので、一本持っているだけは、とても足りるものでない。何本かそろえるだけでかなりの出費となる。また、武士のなかで最下級の地位にあった足軽は、ほとんど独身で、また、二四時間勤務が当たり前だったため、汚れたふんどしを洗う時間もなかったというわけだ。

  

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