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ハワイ移住
日本史の雑学事典

■9 ハワイに日系人が多い理由…好条件に魅了され移民希望者が殺到
 ハワイには日系人が多い。そのほとんどは、明治10年代から大正時代にかけて渡ってきた人の子孫である。総計でおよそ20万人の日本人が移住したというからすごい数だ。1920年代には、ハワイ人口の40%が日系人だったという。
 ではなぜ、ハワイ移民がこんなに多かったのだろう?
 それは、1881年にカラカウアというハワイの王様が来日し、勤勉な日本人を移民にほしいと要請したからである。当時の日本国内は、松方デフレの影響で農産物の価格が下落、多数の農民が土地を手放し、流浪していた。明治政府としても、余剰労働者の移出は喜ぶべきことだった。
 かくして、ハワイ政府と日本政府とのあいだで労働条件が取り決められ、日本人はサトウキビ農園の労働者として働くことになったのである。
 さて、その労働条件だが、賃金は男性が1か月9ドル、女性が6ドルとされ、そのほかに食費が支給、住宅も給付された。医療費も無料だった。
 この条件は、当時の日本人賃金の何と90倍であり、女工が10年間働いて得る全賃金に相当した。しかも労働は2年契約で、成功して帰国した人々は借金を返済し、新たに土地や屋敷を買った。これを目の当たりにして、移民への応募が殺到したというわけだ。
 だが、実際に現地へ行ってみると、炎天下で10時間の野外重労働を課され、物価は高くて生活するのがやっと、しかも、農園監督からムチで叩かれるなどモノのように扱われ、苦しさの余り、契約満了以前に逃亡する者が続出したという。

  

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