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スズメバチ
雑学大全2

「スズメバチ」は日本のハチのなかで最大のハチで、その名前の由来も「スズメほど大きい」ことからつけられたといわれる。地方によっては「クマンバチ」(「クマバチ」は別種)、「カメバチ」などと呼ばれることもある。とても獰猛で攻撃的なため、スズメバチの毒針に刺されて人が命を落とすこともある。こう書くと無敵のようにも聞こえるが、そんなスズメバチにも天敵はいる。まずは人間である。そして野鳥といったスズメバチを餌として食べる捕食者もそうだ。これには同じスズメバチ類である「オオスズメバチ」も含まれる。オオスズメバチに襲われたスズメバチの巣は、数日で全滅してしまうといわれるほどの攻撃にさらされる。また、捕食者以外にも寄生者というやっかいな天敵もいる。たとえば「カギバラバチ」というハチは、スズメバチ類の幼虫に寄生する。といっても、スズメバチの幼虫に直接寄生するわけではない。寄生の第一歩は、まずカギバラバチのメスが樹木の葉に卵を産みつけるところからはじまる。次に、その卵がついた葉を蛾の幼虫などの中間寄主が食べて、その体内で卵が孵化する。すると今度は、スズメバチがその状態の中間奇主を捕らえて幼虫に与える。こうしてやっと、カギバラバチはスズメバチの幼虫に寄生するのだ。寄生したカギバラバチは、スズメバチの幼虫を体内から食べはじめ、最終的には体表に出て幼虫を食べつくしてしまう。同じようにスズメバチの幼虫に寄生するものに「オオハナノミ」という甲虫がいる。こちらの寄生も、やはりメスが木に卵を産みつけるところからはじまる。孵化したオオハナノミの特殊な形をした幼虫は、その木に巣材を調達にきたスズメバチの体にしがみつき巣へ潜入する。そしてまんまと奇主であるスズメバチの幼虫に乗り移るという。直接的にスズメバチに寄生するものもいる。スズメバチの巣にスパイのようにもぐりこみ、幼虫に卵を産みつける寄生バチ「ヒメバチ」のほか、成虫に寄生する「メバエ」というハエの仲間もいる。メバエは、スズメバチの巣のそばで、働きバチが巣に戻ってくるのを待ち構え、戻ってきた一瞬の隙に、その体に卵を産みつけるという。孵化したメバエの幼虫は働きバチの体内で成長することになるのだ。

  

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