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オルファ
雑学大全2

少し切れが悪くなったら、専用の刃の溝をパキっと折って使う「折る刃式のカッターナイフ」。かなり便利な商品だが、この素晴らしいひらめき、なんと板チョコからヒントを得た日本人の発明だった。確かにそういわれてみると、パキっと折るときの感触や仕草はチョコにそっくりである。この発明をしたのは、岡田工業(現・オルファ)の創業者・岡田良男氏。大阪の印刷会社に勤めていた岡田氏は、製版部門で使用されるナイフがすぐに切れなくなり、使い捨てにされているのをなんとか改善したいと考えていた。そこで、昔の職人がガラスの破片をナイフの代わりに使って切れ味が悪くなると小石などにぶつけて割って再び切れ味を取り戻していたのを参考に、ナイフの切っ先だけを簡単にガラスのように割れないものか思案していた。そのとき、煮詰まっていた岡田氏の目に付いたのが、あの板チョコだった。食べる分だけパキっと折って簡単に取り出せる。チョコにはじめから折りやすく切れ目が入っているからだとひらめいたのだ。その原理で、ナイフの刃にも折りやすい折り目をつければ簡単に折れる。で、なおかつ使っているときは折れず、折りたいときはきちっと折れる、そんなカッターナイフづくりを考えついたのだ。その後、いろいろ試作を重ねて、ついに一九五六(昭和三一)年、現在、家庭やオフィスで誰もが使っている「折る刃式のカッターナイフ」が完成したのである。一九六七(昭和四二)年に岡田工業を設立し、翌年から「折る刃」をもじって「OLFA(オルファ)」というブランドをつくって海外へも輸出をはじめた。その利便性や完成度の高さから、瞬く間に世界中に広まり、現在では世界一〇〇カ国以上に輸出されている。当然のことながら、替え刃のサイズやあの折れ目の角度などは、当時、岡田氏が決めたものがそのままに世界規格となっているという。

  

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