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イタリア料理の概要
イタリアン手帳

イタリア料理の概要

南北に長いイタリアは、気候風土の地域差が大きく、歴史的にも各地方が都市国家として分立していた時代が長く続いたため、各地域固有の伝統料理が守り継がれてきた。現在も「イタリア料理なんてものはない。あるのは各地の郷土料理だけ」といわれるほどである。

たとえばイタリア料理として日本で一般的にイメージされる、オリーブオイルやトマトを使う料理は南部のものであり、北部はバターや生クリームなどの乳製品を使った料理が多い。パスタ文化の国とはいえ、地域により形状もソースもさまざまだし、北部の穀倉地帯ではリゾットなどの米料理もよく食べる。北部や内陸部は肉料理が中心なのに対して、地中海沿岸では魚介類が豊富で、特にシチリア島など南部は野菜や果物の収穫量が多く、それらをオリーブオイルで調理した料理の数々は、ヘルシーな地中海ダイエット料理としても人気がある。国境に近い地域では隣国の食文化との共存もみられる。

それほどに多様性に富んだイタリア料理だが、山海の幸に恵まれ、食材の持ち味を最大限に活かすという点は全域で共通している。それは和食との共通点でもあり、日本人になじみやすい理由の一つであるようだ。

またイタリア料理はフランス料理の原型ともいわれる。16世紀、フィレンツェの名門貴族メディチ家のカトリーヌ嬢がフランス国王に嫁いだ折に、腕利きの料理人らを連れて行ったことを機に、フランス料理はイタリア料理の影響を受けて洗練されていったといわれている。

  

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