▼浜のＳＯＨＯが一手に漁獲と販売 旬のうまい魚を知る本

鹿児島県阿久根市でヒゲナガエビ漁を一手に行っているのが、漁師たちが経営するエビミー水産加工という会社だ。漁師が獲り、その家族が加工・販売している浜のＳＯＨＯである。その社長であり船主であり、漁労長でもある倉津澄孝さんに話を聞いた。八面六臂の活躍の漁師だから、いかつい薩摩隼人を勝手に想像していたが、意外に物静かな海の男である。
「この会社は船主兼漁労長の３人で始めました。薩摩甘エビの漁を初めたのは昭和４５年。それ以前の阿久根でこのエビを狙う船はありませんでしたよ。時間をかけて少しずつ、自分たちで販売ルートを築き上げてきました」