▼巣穴でシングルライフを楽しむ 旬のうまい魚を知る本

シャコは沿岸及び内湾の水深３０メートルまでの泥や砂泥の海底に生息する。姿だけでなく、生態も変わっている。海底にＵ字型の巣穴を掘り、大小二つの出入り口を作る。この巣穴で外敵から身を守り、産卵をする。外出してはエビや小魚を鎌のような捕脚ではさんでつかまえ、巣穴の中に持ち込んで食事にかかる。巣穴をマイホームと置き換えれば、まるでわれわれの生活同様である。ただしシャコは単独で生活する独身主義者。シングルライフを大いに楽しんでいる点が、たいがいの人間と少しちがうかもしれない。