MENU
    全辞書一括検索 by JLogos

1件Hitしました

1から10件/1件中

▼たくさんの異名を持つカレイ
旬のうまい魚を知る本

標準和名のババガレイは通り名であるとずっと思い込んでいた。だって婆のカレイなんて、あまりに失礼ですよね。もっとも、名が体を表してはいる。目のある側は暗褐色、あるいは赤褐色で、形も数も色も不明瞭な暗色の紋が浮き出て、どことなくきたならしい。体表の粘液はほかのカレイよりもたっぷり。唇は厚く、どことなくしまらない。太ってぼってりしている。
奇妙な姿からか、変わった地方名が多い。広く知れわたっているナメタガレイの名は、もともと東北の呼び名。体表のネバネバがいかにもなめられたように見えるからだ。東北ではウバガレイと呼ぶところもある。乳母ではなくて姥であろう。茨城ではダルマガレイ、あるいはダルマビラと呼んだりする。北海道ではブタガレイの名もある。ぼってりした様子がブタに似ているからにちがいない。山形ではアワフキ、山陰ではシャボンと呼ぶ。トロ箱で運ばれるとき、体表のヌルヌルが泡立つことによる。

  

             × 閉じる

収録辞書全リスト