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プロ野球ドラフト会議
【ぷろやきゅうどらふとかいぎ】

プロ野球ドラフト会議

【概要】
 プロ野球12球団がどの新人選手と契約交渉権を得るかを決める会議で、正式名称は「新人選手選択会議」。
 現行制度では、1巡目の指名(1位指名)は入札方式で行い、同一の新人を複数球団が指名した場合は、抽選で行う。2巡目は、レギュラーシーズン下位球団から指名。3巡目はその逆に行い、以後は交互にこれを繰り返す
 2012年はオールスター戦で勝ち越したセ・リーグ優先権があり、2巡目は、セ6位のDeNA→パ6位のオリックス→セ5位の阪神……の順で指名し、3巡目指名はパ1位の日本ハム→セ1位の巨人→パ2位の西武……の順で行う。2012年のドラフト会議は10月25日に開催。甲子園春夏連覇を達成した大阪桐蔭高の藤浪晋太郎投手、昨年日本ハム1位指名を拒否した東海大の菅野智之投手らに注目が集まる中、最速160キロ右腕の岩手・花巻東高の大谷翔平投手は12年10月21日、米球界挑戦の意思を表明。各球団の動向に影響を与えている。

【解説】
 12年のドラフト開催直前、日本球界に衝撃が走った。大谷投手は193センチの長身から投げ下ろす大型右腕で、7月の岩手大会で高校生として初めて160キロの剛速球をマーク。高校通算56本塁打と打者としての素質も高く、日米のスカウト陣が熱い視線を送ってきた逸材だった。
 ドラフト対象の高校生が日本のプロ野球を経ずに渡米するケース初めて。各球団のドラフト戦略に影響を与えることはもちろん、長期的に見ても、大谷投手が今後米大リーグで成功した場合は、日本の有望選手の流出を促しかねない。社会人ドラフト候補では2008年、新日本石油ENEOSの田沢純一投手がレッドソックス入り。日本球界は直後に、ドラフト候補選手が米国でのプレーを経て国内復帰する場合、高校出身者は3年間、大学・社会人出身者は2年間、日本のプロ野球ドラフト指名を受けられないルールを設けたが、人材流出の歯止めが効かなくなる可能性もある。

 一方、大谷投手の米球界挑戦で他の有力投手の競合が激しくなりそうだ。過去のドラフト最多指名は、野茂英雄、小池秀郎の8球団。大谷投手と並ぶ大型右腕の藤波投手や、東都リーグで通算34勝、22完封をマークした亜大の東浜巨投手に何球団が手を挙げるのかも注目される
 さらに最大の注目は、巨人が意中球団とされる菅野投手への指名だ。昨年は、巨人が、原辰徳監督の甥である菅野投手を単独指名するとみられていた中で、日本ハムが「強行」指名。抽選の結果、日本ハムが交渉権を得たが、巨人が意中の球団とされる菅野投手は入団を拒否、浪人の道を選択した。東海大サイドは意中の球団でなかった場合は米球界入りの意思を表明し、他球団をけん制しているが、「おどしをかけるようなことをしてはいけない」(DeNA・高田繁GM)などの批判も出ている。

 ドラフト会議は近年、世間の注目度を高めようとショーアップ化も進んでいる。09年からは東芝が冠スポンサーとなり、同社提供のパソコンを使って各球団が指名を行っている。会場のグランドプリンスホテル新高輪(東京都港区)にファンを抽選で招待。TBS系列で地上波テレビの中継を行い、特別番組も制作。上位指名の動向だけでなく、震災に遭遇した選手や難病を克服してプロ入りの夢をつかんだ選手などを紹介して盛り上げている。




JLogos編集部
Ea,Inc. (著:JLogos編集部)
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