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AuthorKengo Suzuki >

少額訴訟手続の実務と留意点

Q:「ある取引先に商品の売買代金50万円を請求したいのですが、何か良い法的手続はないでしょうか。」

A:商品代金を請求する手段として、直接交渉することに加えて、電話による口頭での請求、普通郵便やFAXを用いた書面での請求、内容証明郵便による請求などがあります。しかし、上記請求を意に介さない債務者もいるため、調停や訴訟等の裁判手続が用意されていますが、時間や費用面でのハードルがあります。

この点、本件のように数十万円の場合には、「少額訴訟」という特殊な手続を利用できますので、以下、簡単にご紹介します。

まず、少額訴訟は、60万円以下の請求について認められている制度であり、簡易裁判所が管轄裁判所になります。法律上、1回の期日で審理完了が予定されているため、証拠についても、「即時に調べられる証拠」のみに限定されています。

このように、少額訴訟は、通常訴訟に比べて、かなり簡易な訴訟手続として、時間及び費用を大幅に削減できる訴訟手続と言えます。

但し、1点注意点があります。
少額訴訟に対して、相手方が通常訴訟を希望すれば、原則として通常訴訟に移行する上、少額訴訟の判決について、2週間以内に異議申出があれば、通常訴訟に移行して審理が行われることになります。
そのため、少額訴訟手続によれば間違いなくメリットがあるわけではなく、通常訴訟に移行してしまうリスクと可能性も認識しておく必要があります。

そこで、少額訴訟手続を利用する場合であっても、ある程度は通常訴訟に移行した場合の対応についても考えておく必要があるでしょう。

【執筆・監修】

Kengo Suzuki(弁護士)
弁護士としての保守的な視点だけでなく、経営者の前向きな視点も理解できる企業法務弁護士を目指しています。





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