【雑学大全】 >
イヌ②
【東京雑学研究会編】

§イヌは色盲なのに、盲導犬が信号を見分けられるのはなぜか?
目の不自由な人の、大切なパートナーとして活躍するのが盲導犬である。
ところで、イヌやネコ、ウシなど多くの哺乳類は、人間のように色を見分けることはできないはずである。危険な交差点で横断歩道を渡るとき、盲導犬はどうやって信号を見分けているのだろうか? 目の不自由な人のため、音で信号の色を知らせる交差点もあるが、まだまだ普及しているとは言い難い現状である。
信号のところにやってきた盲導犬は、ほかの歩行者の様子を見ている。ほかに歩行者がいれば、盲導犬はそれらの人をよく見て、判断をする。赤信号で止まっている人がいれば、盲導犬も止まって待ち、青信号で渡っているなら、盲導犬も進むわけである。
では、ほかに人がいない場合は、どうするのだろう?
そういった場合、盲導犬はじっと耳をすませて、車が走っていないかどうか、ちゃんと止まっているかどうかを判断する。このとき、目の不自由な人も耳をすませ、両者の判断が一致して安全だという確認ができたときにのみ、歩きだす。
目の不自由な人が安全だと思って、盲導犬に「行こう」と合図をしても、盲導犬のほうで「危ない、まだだ」と判断すれば、動かない。これは、飼い主である人の指示に逆らうことになるのだが、盲導犬の受ける訓練は、あくまで安全が第一。こういった「不服従」も、場合によってはありえるのだ。
また、盲導犬は、信号の色をそれぞれの位置で覚え、光っているかどうかを判断しているという説もある。
盲導犬は、長く厳密な訓練を経て活動するものだが、目の不自由な人と心が通い合っていなくては、役割を果たせない。そのため、目の不自由な人が盲導犬を飼い始める際は、訓練所に泊まり込んでともに生活をし、一緒にやっていけることを確認してから、街に出るのだという。
![]() | 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全」 JLogosID : 12670056 |