日本の電子書店
【にほんのでんししょてん】
既存の書籍類を、電子ファイルのかたちで「より見やすく」「より手軽に」読めるようにしようという動きは以前からあったが、俗に日本で「電子書籍元年」と呼ばれるのは、米アップル社がiPadを発売した2010年である。それから約4年が経過し、一時は雨後の竹の子のように開設されていた各電子書籍サービスも閉鎖が相次ぎ、淘汰が始まっている。PDA(Personal Digital Assistant)や専用機を読書端末に使用した電子書籍サービスが1999年頃から2000年代にかけて数種存在したが、どれも芳しい成果を得られなかった。そこにiPadが、iBookstore(現 : iBooks Store)という電子書店サービスとともに現れたことによって、電子書店ビジネスへの期待がにわかに高まった。それ以前から米Amazon.comはKindle(キンドル)という総合電子書籍サービスを開始しており、国内でも一部で注目されていたが、日本上陸の気配が長らくなかったことで「黒船」役をiPadに譲ったかたちになる。ちなみに、Amazon.co.jpでKindleストアがオープンしたのは2012/10/25である。電子書籍での読書習慣がなかなか一般化しないため、毎年「電子書籍元年」ではないかと揶揄されているなか、2013年から電子書店の撤退が現実化しつつある。2013/3/31には「Raboo」(楽天運営)、2014/2/24には「エルパカBOOKS」(ローソン運営)が、2014/3/31には「地球書店」(NTTソルマーレ運営)が閉鎖される。ただし、楽天は「Kobo」という別の電子書籍サービスを展開し、NTTソルマーレは「コミックシーモア」を保有しており、電子書籍ビジネス全体の可能性については各社一定の評価をしているように見受けられる。
| 時事用語のABC (著:時事用語ABC編集部) 「時事用語のABC」 JLogosID : 14425564 |