【洋酒手帳】ウイスキー > スコッチ
スペイサイド

スペイ川流域に集中する蒸溜所
ハイランド地方の東北部、スペイ川流域には、スコットランド全土の半数を占める約50の蒸溜所が林立する。涼しい気候と良質な水に恵まれ、ピートも豊富で、ウイスキー造りには最適な土地だ。かつては200を超える密造所があったといい、密造から出発した蒸溜所も現存する。1824年には政府公認蒸溜所第1号として、ザ・グレンリベット蒸溜所が創業。創業者のジョージ・スミスは密造者たちから裏切り者として命を狙われ、護身用に銃を携帯していたという逸話も残る。スコッチの歴史を現在に伝える貴重なエリアといえる。
華やかでバランスのよい味わい
有名銘柄を有する蒸溜所が多い。前述したグレンリベットのほか、「スコッチのロールス・ロイス」と呼ばれるザ・マッカラン、「世界一飲まれているシングルモルト」グレンフィディック、シーバス リーガルのメイン・モルトであるストラスアイラなど銘酒が揃う。全体的に、華やかでバランスの取れた味わいが特徴で、ブレンデッド・ウイスキーのキー・モルトも多い。
![]() | 東京書籍 (著:上田 和男) 「洋酒手帳」 JLogosID : 8515515 |