摂食障害/神経性食欲不振症(拒食症・過食症)
【せっしょくしょうがい/しんけいせいしょくよくふしんしょう(きょし】
Eating Disorder/Anorexia Nervosa
摂食障害とは、神経性食欲不振症(拒食症)と神経性大食症(過食症)の総称です。表面上はまったく反対の食行動異常ですが、両者は基本的には同じ病態で、ある時期には拒食の状態であったものがその後、過食の状態へと移行する場合が多くみられます。
神経性食欲不振症は、典型的には若い女性がやせようとしてダイエットして食べなくなり、その結果著しい体重減少をきたし、無月経など様々な症状を伴うものです。摂食障害の心理的な原因にはいろいろなものがあり、家庭、学校、職場、友人などの人間関係での悩みや自己実現、独立と依存の葛藤などの発達上の課題に対するとまどいから発症するケースが多いといわれています。古典的には、成熟拒否、肥満恐怖、そして幼児期への退行と理解されていますが、行動論の立場からは、このような心理的なストレスに対する適切な対処をとることができずに、もっぱら摂食してやせることで対処していると考えることができます。
| 寺下医学事務所 (著:寺下 謙三) 「標準治療」 JLogosID : 5035352 |