ロマン主義
【ロマンしゅぎ】
高いもの、はるかなもの、美しいものに対するあこがれの心を重んずる立場。「浪漫主義」とも書く。{参考}西欧では、十八世紀末から十九世紀初めにかけて席巻(せつけん)した文芸思潮。日本では明治二十年代、島崎藤村(しまざきとうそん)・北村透谷(きたむらとうこく)・上田敏(うえだびん)らの「文学界」を中心に成立した。国木田独歩(くにきだどつぽ)・土井晩翠(つちいばんすい)らもロマン性豊かな作品を書いた。三十年代には、与謝野鉄幹(よさのてつかん)・晶子(あきこ)らの「明星(みようじよう)」を中心に栄え、石川啄木(いしかわたくぼく)・薄田泣菫(すすきだきゆうきん)・蒲原有明(かんばらありあけ)・泉鏡花(いずみきようか)・高山樗牛(たかやまちよぎゆう)らもいた。この時期がロマン主義の最盛期といえる。明治末年から大正初期にかけて、北原白秋(きたはらはくしゆう)・吉井勇(よしいいさむ)らの「パンの会」や、永井荷風(ながいかふう)・谷崎潤一郎(たにざきじゆんいちろう)ら耽美派(たんびは)など、いわゆる新ロマン主義作家が活躍する。ロマンチシズム。↓写実主義
| ベネッセコーポレーション (著:樺島忠夫/植垣節也/曽田文雄/佐竹秀雄) 「福武国語辞典」 JLogosID : 705453790 |