行く・▽往く・逝く
【ゆ・く】
自五/補動五
【一】(自五)【1】時間・順序に従って、移動したり状態が移り変わったりする。【ア】〔行く・往く〕遠くへ移る。遠ざかる。「向こうへ―」「さあ、―・こう」{対}来る 【イ】〔行く・往く〕目的の所に出かける。「会社へ―」「同窓会に―」{対}帰る 【ウ】〔行く・往く〕ある地点・場所に通じる。「教室へ―階段」「駅へ―道」【エ】〔行く・往く〕通りすぎる。「野道を―」【オ】〔逝く〕人が死ぬ。「惜しまれて―」【カ】〔行く・逝く〕遠くへ去って二度ともどってこない「―春」「―水(=流れ去る水)」【2】〔行く〕物事が進む。「計画どおりに―」「思いどおりに―」【用法】否定形の「行かぬ」「行かない」は、「そう簡単には行かない」のように「不可能である」という意味に用いられる。【3】〔行く〕物事が十分な状態になる。「心―まで話す」「納得が―」「心―・かぬ心地」【4】〔行く〕ある状態になる。「損が―」「そこへ―と」【二】(補動五)〔動詞の連用形+「て」について〕【1】動作の継続を表す。…し続ける。ずっと…する。「成長して―」「突き詰めて―」【2】状態の進行・変化を表す。しだいに…する。だんだん…になる。「夜が明けて―」「美しくなって―」▽【二】はふつう仮名書き。{参考}平安時代以後、「いく」と併用される。現在では、口語で「て」「た」「たら」などに続く場合は常に、「いって」「いった」「いったら」を使う。和歌・漢文訓読語などでは、多く「ゆく」を使う。
| ベネッセコーポレーション (著:樺島忠夫/植垣節也/曽田文雄/佐竹秀雄) 「福武国語辞典」 JLogosID : 705421270 |