に
【に】
格助/接助
【一】(格助)【1】空間的な地点や時間的な時点を示す。「ベニスに死す」「空中に浮かぶ」「十時に開店」【2】動作・作用の帰着する場所や相手などの対象を示す。「京都に行く」「未来に向けて」「君に捧(ささ)げん」「水泡に帰する」「道に迷う」「途方に暮れる」【3】変化の結果を示す。「赤が青に変わる」「歌手になる」【4】判断や比較・割合の基準を示す。「AはBに等しい」「裸に近い格好」「各クラスに一人」【5】動作・作用の目的を示す。「会いに行きたい」「食事に出かける」「試しに打ってみる」【6】ある事柄の原因や理由・きっかけ・よりどころを示す。「雨にぬれる」「恋に迷う」「定めに従う」「あまりの美しさにボーッとなった」「歌に生き、恋に生き」【7】使役・受身関係を示す。「子供に行かせる」「父に叱(しか)られた」「恋人に去られた」【8】それに何かをつけ加えるのに用いる。「ジュースにコーラ」「鬼に金棒」【9】状態・状況を示す。「直角に曲がる」「成功の内に終わる」「ガタガタになる」【10】動作・作用の継続・反復を示す。「待ちに待ったこの一瞬」「降りに降った」【二】(接助)〔古〕あとに述べることが起こるきっかけなどを示す。「待ちつつ居るに夜ぞふけにける」〈万葉集〉「あやしがりて寄りて見るに、筒の中光りたり」〈竹取〉
| ベネッセコーポレーション (著:樺島忠夫/植垣節也/曽田文雄/佐竹秀雄) 「福武国語辞典」 JLogosID : 705266280 |