【福武国語辞典】さ行 > しょ
小説
【しょうせつ】

虚構の人物と行動を描くことによって、人生の相を描き出す、話の筋をもった散文体の物語。{参考}坪内逍遥(つぼうちしようよう)が「ノベル」を訳したことば。古来の物語・草子の類よりも、徹底した事実中心の態度で、一市民の生活細部を描く。ディフォーの「ロビンソン・クルーソー」、リチャードソンの「パミラ」などが近代小説の元祖とされ、日本では、人間と社会がそれ自体で描写の対象となったという意味で、西鶴(さいかく)の浮世草子から始まるとされる。小説は、人間がこのように生きていると示すもので、人間はどう生きるべきかを説くものではない。
![]() | ベネッセコーポレーション (著:樺島忠夫/植垣節也/曽田文雄/佐竹秀雄) 「福武国語辞典」 JLogosID : 705110380 |