【福武国語辞典】さ行 > しゃ
写実主義
【しゃじつしゅぎ】

現実そのままに、主観を加えずに描く考え方。ロマン主義・理想主義と対立する。{参考}明治十八、九年(一八八五~六)坪内逍遥(つぼうちしようよう)が「小説神髄(しようせつしんずい)」で「現世の人間の写真」を行うべきだと説いたのが最初。二葉亭四迷(ふたばていしめい)も「摸写(もしや)」を説き、硯友社(けんゆうしや)にも技巧として写実的傾向が見られた。明治三十年代にはゾラの影響を受けた小杉天外(こすぎてんがい)・小栗風葉(おぐりふうよう)など写実主義作家が現れ、やがて次の自然主義へと進んだ。リアリズム(realism)の訳語。↓自然主義・ロマン主義・理想主義
![]() | ベネッセコーポレーション (著:樺島忠夫/植垣節也/曽田文雄/佐竹秀雄) 「福武国語辞典」 JLogosID : 705089300 |