【福武国語辞典】か行 > きび
黄表紙
【きびょうし】

【1】黄色の表紙。【2】江戸時代後期の草双紙(くさぞうし)の一種類。通俗的な読み物で、挿絵が多く、表紙の色から黄表紙といった。幼稚な絵草紙であった赤本・黒本・青本などから脱して、安永(あんえい)四年(一七七五)刊の恋川春町(こいかわはるまち)「金々先生栄華夢(きんきんせんせいえいがのゆめ)」から大人の読み物となったもの。文化(ぶんか)三年(一八〇六)ごろまで盛んに出された。世相を反映する内容になり、洒落(しやれ)・風刺を織り込んで、草双紙としては一大進歩を遂げたといえる。
![]() | ベネッセコーポレーション (著:樺島忠夫/植垣節也/曽田文雄/佐竹秀雄) 「福武国語辞典」 JLogosID : 704969090 |