掛ける・架ける・懸ける
【か・ける】
他下一
【1】ある所で支えてとめる。【ア】つるして下げる。「窓にカーテンを―」【イ】上に乗せる。「なべを火に―」「いすに腰を―」【ウ】もたれさせる。「屋根にはしごを―」【エ】身につける。「眼鏡を―」「エプロンを―」【2】ある所でとらえる。【ア】受けとめる。おとしいれる。「鳥を網に―」「ペテンに―」【イ】それで処理する。「コンピュータに―」「はかりに―」「医者に―」「会議に―」「裁判に―」【ウ】そこにとめられる状態にする。「お目に―(=ご覧に入れる)」「気に―(=心配する)」【3】それを他のものに及ぼす。【ア】おおいかぶせる。「布団を―」「湯を―」【イ】一方から他方へさしわたす。「橋を―」「荷物にひもを―」【ウ】それを届ける。「声を―」「誘いを―」【エ】作用や影響を及ぼす。「迷惑を―」「税金を―」「三に五を―(=かけ算をする)」【オ】それを物事の結果にゆだねる。「保険を―(=契約する)」「優勝を―」「名誉を―」【カ】相手に伝わるように強く思う。「思いを―」「神に願を―」【キ】まぜあわせる。「黄色に青を―」「馬にロバを―(=交配する)」【4】それを使う。【ア】道具や機械などを働かせる。「エンジンを―」「かぎを―」【イ】時間や経費を費やす。「金を―」【ウ】力・気合いなどを加える。「気合いを―」「磨きを―(=いっそうすばらしくする)」【エ】作り設ける。「小屋を―」▽【4】はふつう仮名書き。【5】〔動詞の連用形について〕【ア】その動作の途中である。「勉強をし―」「用事をやり―・けたまま中座する」【イ】それが実現しそうになる。「塀が倒れ―・けている」▽【5】はふつう仮名書き。{参考}「掛」は物をつり下げる、「懸」は遠くや高い所など手の届きにくい所にかけようとする、「架」は橋などをかける意を基本としているが、その区別は完全ではない。
| ベネッセコーポレーション (著:樺島忠夫/植垣節也/曽田文雄/佐竹秀雄) 「福武国語辞典」 JLogosID : 704933630 |